11月10・11・12日の創作活動報告(エッセイ3本、小説計5枚)

んばんは、水流苑の読み方を覚えてもらいにくいことに若干悩んでいるツルゾノです。金曜日からの三日間は比較的ゆるめのペースでした。

 

10日の金曜日は大阪駅で後輩とランチをして、そのままその子の家にお呼ばれしてプリンを食べさせられて(!)きました。
往復の電車移動に二時間ほどかかるで、そのあいだ清水義範さんの『清水義範の作文教室』を読んだり、後輩との会話やひらめいたことをメモしたりしていました。

その日は遅くに帰ってきたのでそれ以上は何もせず。

 

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11月7・8日の創作活動報告(エッセイ6本、小説計12枚)

んばんは、今から紅茶クッキーを焼こうか迷い中のつるぞのです。(とか書いたけど、ブログ書いてるうちに時間なくなっちゃった笑)

昨日、今日とかなり精力的に活動したのでかんたんに報告します。

 

まずはnoteの方ですが、無料マガジンに5本、有料マガジンに1本記事を投稿しました。

 

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創作活動日誌、始めます(第一回目の今日はここ一カ月の濃厚な日々を振り返っています)

と思いついたので、今日から大まかな活動記録をつけていこうかなと思います。

自分の日々の行動を実況したいという気持ちは以前からあって、SHOWROOMの配信でそれをやろうとしていたんですが、せっかくなら文として残したいなと思いまして(あと、単純にこっちの方が続けやすい)

 

第一回目の今日はここ一カ月の振り返りをしてみようと思います。

 

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「何気ない日常体験でここまで遊ぶことができるのか!」と衝撃を受けた――穂村弘『整形前夜』

村弘さんのエッセイにドハマりしておりまして、最近三冊ほど購入しました。こちらの整形前夜と『にょっ記』シリーズです。(『にょにょにょっ記』は文庫版がまだみたいだったから待ってます)

本日はその中から『整形前夜』をご紹介。

 

穂村さんのエッセイは、ふつうに生きていたらスルーしがちな、というかくだらなすぎて誰も深く考えようと思わないような違和感や疑問がテーマになっている作品が多いです。

この『整形前夜』にも、そういった要素が随所に散りばめられています。彼の視点を通して見た世界は実にクレイジーいや、エキセントリック。(どっちもあんまり変わらんがな)

「何気ない日常体験でここまで遊ぶことができるのか!」と衝撃を受けました。

わたしは長いあいだ「くだらないことに対する追求心」を封印してきたので、今後、この本を何度も読み返すことで、今は影をひそめている自分の中の「魔の三歳児」を開放できたらなと思います。

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今いる世界の「正常」に違和感を覚えたとき、人はそれとどう向き合っていけばいいのか――村田沙耶香『消滅世界』

然妊娠ではなく人工授精が主流となり、恋愛やセックスと結婚・妊娠が切り離されたパラレルワールドの日本が舞台。

そこでは人間同士の恋愛やセックス、自然妊娠による出産は既に廃れた風習とされ、人によっては「異常」なことと受け取られてしまう。(だけと何割かは存在する)

また、夫婦は「家族」であり、その間に性的なことを持ち込むことは「近親相姦」とされている。

 

主人公の雨音は、その時代には珍しい自然妊娠で生まれた子ども。

母親は古い時代の恋愛や結婚に固執し、今の世界を「異常」と見なしている。だから、娘だけは「正常」でいられるようにと、幼いころから雨音に対して「あなたもいつか好きな人と愛し合って、結婚して、子供を産むのよ」と繰り返し言い聞かせてきた。

幼いころは母の言葉を信じ込んでいた雨音だったが、成長するにつれてその世界の「正常」に自分を合わせようとし始める。

 

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自分の中にある価値観を激しく揺さぶられる衝撃作! 村田沙耶香『殺人出産』

題作『殺人出産』の他、三作品を含む短編集。どの作品も、「今この世界で当たり前とされている価値観が覆されて、新しい価値観が当然のものとして多くの人たちに受け入れられている世界」を描いており、読んでいるうちに自分の中にある価値観が激しく揺さぶられる感覚を覚えた。

 

『殺人出産』は、「子どもを十人産んだら、一人だけ好きな人間を合法的に殺すことができる」という制度が導入された世界の話。殺人のために子どもを産むことを決めた人は「産み人」、殺人対象として選ばれた人は「死に人」と呼ばれている。

ぶっ飛んだ設定だけど、細部まで作り込まれており、登場人物たちが持っているその世界特有の考え方も自然だったので、わたしは割とすんなり作品世界に入ることができました。

 

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人を殺すことが心の拠り所となってしまった女が後半で見せる弱さ、健気さ、深い愛――沼田まほかる『ユリゴコロ』

婚を考えていた恋人・千絵が突然失踪し、父親は末期の癌に倒れ、その矢先に母は交通事故であっけなく他界。立て続けに大切な人を失った「僕」が、父親の部屋から母のものと思しき遺髪と四冊のノートを発見するところから物語は始まる。

 

ノートの中身はある殺人に関する告白。それも、一人ではなく、短期間の内に次々と殺している。

ここに書かれてあることは本当なのか? 

もしそうだとしたら、書き手は誰なのか?

さらに、過去の「母親入れ替わり事件」の謎も加わって、物語は思いもよらぬ方向へと導かれていく……。

 

人を殺すことは悪とされているけれど、世の中には善悪の二元論では割り切れない殺人が存在する。

たとえば、わたしが過去に読んだ小説だと、『白夜行』(東野圭吾著)や『私の男』(桜庭一樹著)などが挙げられる。どちらの作品も、「自分にとって大切な何かを失わないため」の殺人であり、人を殺すのはイケナイことだとわかってはいても、主人公たちを養護したくなる何かが存在した。

 

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