「やみつき」になる読感(食感、ならぬ)平松洋子『買えない味2』
図書館平松洋子さんの『買えない味2』。エッセイの公募にはまっていた時期に、図書館でなんとなく手に取った本です。
書き手の平松さんはアジアを中心に世界各地を回っていらっしゃるようです。実はわたし、現代日本以外の食文化(海外とか古い時代とか)に興味があるので、そのうち他の作品にも手を出す予定。
そして肝心の『買えない味2』は、ホットケーキのハレとケから、トーストを焼くための道具に関する考察、果てはかまぼこ板の使い道まで、食にまつわる話がぎっしり詰まった作品です。
味や食感に関する描写がどこまでも豊かで、読むだけで自分で味わう以上の満足感が得られました。加えて、話題を調理する腕も際立っていて、ひとたび読み始めるとページをめくる手が止まらなくなります。
「やみつき」になる読感(食感、ならぬ)、とでも言えばいいのか。
旅のお供にしたい一冊でした。