新作小説『弟金魚とサヨナラしたら』を公開しました!

ブーで新作小説『弟金魚とサヨナラしたら』を公開しました!

「第16回・女による女のためのR-18文学賞」の一次選考を通過した作品です。

 

二年に渡ってひきこもり生活を続けている二十歳の女の子・青葉(あおば)には、四つ離れた弟(イツキ)がいるんですけど、こいつがまあ超生意気なやつでして。姉のことを名前で呼び捨てにするわ、ぞんざいに扱うわで、けっこうひどい弟なんです。

真面目で親の言いつけをよく守る青葉に比べて、イツキの方は幼いころから好き勝手に振る舞って母親や祖母にも甘えたい放題してきました。親にいくら言われても勉強しないし、宿題も放ったらかしで遊びに行ってしまうのが常。

青葉は内心でそんな弟を羨ましく思っているのですが、その一方で溺愛していて、宿題を手伝ってあげたり、口うるさい両親からかばってやったりしてきました。

そんなある日、青葉は「巨大な水槽に入った弟の夢」を見ます。そのことがきっかけで、彼女は弟に対するある歪んだ思いに気がつくのですが……。

 

p.booklog.jp

 

現在オンラインで公開している作品の中では珍しく、人間の心理を丁寧に描いた作品です。わたし自身、半分ひきこもっていた時期があるんですけど、そのときのことを振り返って分析したときに、ちょっとぞっとするような心理を発見したんです。それをテーマに書きました。

青葉目線のイツキは、表面上は無害だけどその奥に冷酷な一面を秘めています。作者的にはそこが一番の見どころ(読みどころ)です。

 

夢の中の弟がしゃぼん玉の要領で金魚を生み出したり、金魚が宙を舞ったりと、幻想的なシーンもたくさん出てくるので、幻想文学好きの方もぜひ!